一つの曲が「弾き方」や「空間」によって全く違ってしまうという体験を楽しんでみませんか?

 ピアノについて

「ベヒシュタイン」とは

1853年、カール・ベヒシュタインによってベルリンで創業。
「ピアノのストラディバリウス」と呼ばれるほどの名器で、第2次世界大戦前は日本における最高のピアノの代名詞であった。

ベヒシュタインについてフランツ・リストは「28年間貴社のピアノを弾き続けてきたが、ベヒシュタインはいつでも最高の楽器だった。」 クロード・ドビュッシーは「ピアノ音楽はベヒシュタインのためだけに書かれるべきだ。」と言う言葉を残している。

ベヒシュタインピアノの特徴は、ひとつひとつの音が濁らない分離感、音の立ち上がりの早さにある。
また音色に透明感があるので、演奏者のイメージがそのテクニックによって的確に表現できると言われている。
「ピアノの音色はピアニスト自身が作り出すもの」という考えの下、ベヒシュタインピアノは完全なる中立音を目指した設計がなされている。

構造的な特徴としては、ピアノの音は響板で作るというコンセプトを核として、高音部に総アグラフ式(全ての弦がアグラフと呼ばれる穴の開いたピンの中に弦を通す方式)を採用し、 これによりフレーム(鉄骨)と弦を完全に分離することで金属的な雑味を無くし、立ち上がりの早いクリアな音色を実現している。
こうした響き方は鉄のフレームを鳴らすというスタインウェイの豪奢なそれとは対照的である。

<補足>
近年、総アグラフ式をやめ、高音部をフレームに共鳴させ音量を確保するカポダストロバーを採用したが、 今回その方式を採用したのは、あくまでも本来の音色の多様性と色彩感というコンセプトは変えずに、音に力強さを求める近年の多くのピアニストの要望と、 大きなホールでのコンチェルトの演奏などにも対応できる音量を確保するためだといわれている。
この変更により、コンチェルトでは高音部がオケの音にかき消されてしまうという弱点が改善された。
しかし、高音部のパワーを引き出そうとすることで音の分離感をある程度犠牲にした結果となったため、往年のベヒシュタインファンの中には、 この変更を嘆かわしく思っている人もいるだろう。しかし、響板やケースの張り込み方法などの変更はなく、 ベヒシュタインのコンセプトである「表現力」「色彩感」「奥行き感」は現在も変わっていない。
この設計変更により世界3大メーカーは3社すべてが高音部にカポダストロバーを採用したことになる。

 古民家について

良質な木材と伝統的な工法で造られた日本の古民家は、強さと美しさを兼ね備えており、最近の住宅には無い趣と豊かな居住空間を持っています。
そんな古民家を日本を愛して止まないドイツの建築家カール・ベンクス氏が何百年と同じ家に住み続けるドイツの伝統技術と現在のドイツの厳しい環境基準を元に生まれ変わらせました。